アカデミー賞の前哨戦で圧倒的に重要視されている「PGA映画賞」(米製作者組合賞/プロデューサー組合賞)の一覧です。歴代の受賞・ノミネートの全リスト。(WEB広報 アワード・ウォッチ編集部)
| 年 | 作品賞 | アカデミー賞の受賞 |
|---|---|---|
| 2026 |
日本時間3月1日(日)発表
ノミネート 「ブゴニア」 「F1/エフワン」 「フランケンシュタイン」 「ハムネット」 「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」 「ワン・バトル・アフター・アナザー」 「センチメンタル・バリュー」 「罪人(つみびと)たち」 「トレイン・ドリームズ」 「WEAPONS/ウェポンズ」 |
- |
| 2025 |
「アノーラ」
ノミネート 「教皇選挙」 「デューン 砂の惑星2」 「ウィキッド1 ふたりの魔女」 「ブルータリスト」 「名もなき者」 「エミリア・ペレス」 「サブスタンス」 「セプテンバー5」 「リアル・ペイン」 |
〇 |
| 2024 |
「オッペンハイマー」
ノミネート 「バービー」 「ホールドオーバーズ」 「哀れなるものたち」 「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 「アメリカン・フィクション」 「落下の解剖学」 「パスト ライブス/再会」 「関心領域」 「マエストロ」 |
〇 |
| 2023 |
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
ノミネート 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」 「イニシェリン島の精霊」 「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」 「エルヴィス」 「フェイブルマンズ」 「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」 「TAR/ター」 「トップガン マーヴェリック」 「ザ・ホエール」 |
〇 |
| 2022 |
「コーダ あいのうた」
ノミネート 「愛すべき夫妻の秘密」 「ベルファスト」 「ドント・ルック・アップ」 「DUNE/デューン 砂の惑星」 「ドリームプラン」 「リコリス・ピザ」 「パワー・オブ・ザ・ドッグ」 「チック、チック…ブーン!」 「ウエスト・サイド・ストーリー」 |
〇 |
| 2021 |
「ノマドランド」
ノミネート 「続・ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」 「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」 「Mank/マンク」 「ミナリ」 「あの夜、マイアミで」 「プロミシング・ヤング・ウーマン」 「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」 「シカゴ7裁判」 「ワンダーウーマン 1984」 |
〇 |
| 2020 |
「1917 命をかけた伝令」
ノミネート 「フォードvsフェラーリ」 「アイリッシュマン」 「ジョジョ・ラビット」 「ジョーカー」 「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」 「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」 「マリッジ・ストーリー」 「パラサイト 半地下の家族」 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 |
× |
| 2019 |
「グリーンブック」
ノミネート 「ブラックパンサー」 「ブラック・クランズマン」 「ボヘミアン・ラプソディ」 「クレイジー・リッチ!」 「女王陛下のお気に入り」 「ファースト・マン」 「クワイエット・プレイス」 「ROMA/ローマ」 「アリー/スター誕生」 「バイス」 |
〇 |
| 2018 |
「シェイプ・オブ・ウォーター」
ノミネート 「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目覚め」 「君の名前で僕を呼んで」 「ダンケルク」 「ゲット・アウト」 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」 「レディ・バード」 「モリーズ・ゲーム」 「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」 「スリー・ビルボード」 「ワンダーウーマン」 |
〇 |
| 2017 |
「ラ・ラ・ランド」
ノミネート 「メッセージ」 「デッドプール」 「フェンス」 「ハクソー・リッジ」 「最後の追跡」 「ドリーム」 「LION/ライオン」 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 「ムーンライト」 |
× |
| 2016 |
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
ノミネート 「ブリッジ・オブ・スパイ」 「ブルックリン」 「エクス・マキナ」 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 「オデッセイ」 「レヴェナント:蘇えりし者」 「ボーダーライン」 「スポットライト 世紀のスクープ」 「ストレイト・アウタ・コンプトン」 |
× |
| 2014 |
【タイ受賞】 「それでも夜は明ける」 「ゼロ・グラビティ」 ノミネート 「アメリカン・ハッスル」 「ブルージャスミン」 「キャプテン・フィリップス」 「ダラス・バイヤーズクラブ」 「her/世界でひとつの彼女」 「ネブラスカ ふたつに分かれた道」 「ウォルト・ディズニーの約束」 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 |
〇 |
| 2013 |
「アルゴ」
ノミネート 「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」 「ジャンゴ 繋がれざる者」 「レ・ミゼラブル」 「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 「リンカーン」 「ムーンライズ・キングダム」 「世界にひとつのプレイブック」 「007 スカイフォール」 「ゼロ・ダーク・サーティ」 |
〇 |
| 2012 |
「アーティスト」
ノミネート 「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」 「ファミリー・ツリー」 「ドラゴン・タトゥーの女」 「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」 「ヒューゴの不思議な発明」 「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」 「ミッドナイト・イン・パリ」 「マネーボール」 「戦火の馬」 |
〇 |
| 2011 |
「英国王のスピーチ」
ノミネート 「127時間」 「ブラック・スワン」 「ザ・ファイター」 「インセプション」 「キッズ・オールライト」 「ソーシャル・ネットワーク」 「ザ・タウン」 「トイ・ストーリー 3」 「トゥルー・グリット」 |
〇 |
| 2010 |
「ハート・ロッカー」
※この年からノミネート枠が5枠から10枠に拡大された。同時に、選考方法が大幅に変更された。1人1作品を選ぶ「単純多数決」から、順位を付けて投じる「ランキング式投票(順位付き投票/Ranked ballot/Preferential ballot)」になった。 ノミネート 「アバター」 「17才の肖像」 「第9地区」 「イングロリアス・バスターズ」 「インビクタス/負けざる者たち」 「プレシャス」 「スター・トレック」 「カールじいさんの空飛ぶ家」 「マイレージ、マイライフ」 |
〇 |
| 2009 |
「スラムドッグ$ミリネア」
ノミネート 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」 「ダークナイト」 「フロスト×ニクソン」 「ミルク」 |
〇 |
| 2008 |
「ノーカントリー」
ノミネート 「潜水服は蝶の夢を見る」 「JUNO/ジュノ」 「フィクサー」 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 |
〇 |
| 2007 |
「リトル・ミス・サンシャイン」
ノミネート 「バベル」 「ディパーテッド」 「ドリームガールズ」 「クィーン」 |
× |
| 2006 |
「ブロークバック・マウンテン」
ノミネート 「カポーティ」 「クラッシュ」 「グッドナイト&グッドラック」 「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」 |
× |
| 2005 |
「アビエイター」
ノミネート 「ネバーランド」 「Mr.インクレディブル」 「ミリオンダラー・ベイビー」 「サイドウェイ」 |
× |
| 2004 |
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
ノミネート 「コールド マウンテン」 「ラスト サムライ」 「マスター・アンド・コマンダー」 「ミスティック・リバー」 「シービスケット」 |
〇 |
| 2003 |
「シカゴ」
ノミネート 「アダプテーション.」 「ギャング・オブ・ニューヨーク」 「めぐりあう時間たち」 「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」 「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」 |
〇 |
| 2002 |
「ムーラン・ルージュ」
ノミネート 「ビューティフル・マインド」 「ハリー・ポッターと賢者の石」 「ロード・オブ・ザ・リング」 「シュレック」 |
× |
| 2001 |
「グラディエーター」
ノミネート 「あの頃ペニー・レインと」 「リトル・ダンサー」 「グリーン・デスティニー」 「エリン・ブロコビッチ」 |
〇 |
| 2000 |
「アメリカン・ビューティー」
ノミネート 「マルコヴィッチの穴」 「サイダーハウス・ルール」 「ザ・ハリケーン」 「インサイダー」 |
〇 |
| 1999 |
「プライベート・ライアン」
ノミネート 「ゴッド・アンド・モンスター」 「ライフ・イズ・ビューティフル」 「恋におちたシェイクスピア」 「ウェイクアップ!ネッド」 |
× |
| 1998 |
「タイタニック」
ノミネート 「アミスタッド」 「恋愛小説家」 「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」 「LA コンフィデンシャル」 |
〇 |
| 1997 |
「イングリッシュ・ペイシェント」
ノミネート 「ファーゴ」 「ハムレット」 「ザ・エージェント」 「秘密と嘘」 「シャイン」 |
〇 |
| 1996 |
「アポロ 13」
ノミネート 「ブレイブハート」 「マディソン郡の橋」 「デッドマン・ウォーキング」 「イル・ポスティーノ」 「リービング・ラスベガス」 「いつか晴れた日に」 |
× |
| 1995 |
「フォレスト・ガンプ/一期一会」
ノミネート 「ショーシャンクの空に」 「フォー・ウェディング」 「パルプ・フィクション」 「クイズ・ショウ」 |
〇 |
| 1994 |
「シンドラーのリスト」
ノミネート 「逃亡者」 「父の祈りを」 「ピアノ・レッスン」 「日の名残り」 |
〇 |
| 1993 |
「クライング・ゲーム」
ノミネート 「ア・フュー・グッドメン」 「ハワーズ・エンド」 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」 「許されざる者」 |
× |
| 1992 |
「羊たちの沈黙」
ノミネート 「神に選ばれし無垢なる者」 「ボーイズ’ン・ザ・フッド」 「バグジー」 「サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方」 「テルマ&ルイーズ」 |
〇 |
| 1991 |
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」
ノミネート 「グッドフェローズ」 「ゴースト/ニューヨークの幻」 「ゴッドファーザー PART Ⅲ」 |
〇 |
| 1990 |
「ドライビング Miss デイジー」
ノミネート (第1回は受賞作のみ発表) |
〇 |
PGA(米製作者組合賞)は、アカデミー賞の前哨戦の中で最も重要だと評されてます。 多数の映画賞の中で、アカデミー作品賞の共通性が最も高いです。 同じ結果になりやすい理由は、選考方式がアカデミー作品賞と同じ「ランキング式投票(順位付き投票/Ranked Ballot/Preferential Ballot)」)」だからです。
この方式は、単に1位の作品を選ぶのではなく、候補作に1位から順位をつけて投票する仕組みです。
この制度では、一部の熱狂的な支持(1位票)だけを持つ作品よりも、多くの会員から「ベスト3には入る」と幅広く支持される作品が最後に勝ち残ります。PGAとアカデミー賞はこの集計システムが共通しているため、最高賞の結果が一致しやすいのです。
PGAがアカデミー賞の強力な指標となるもう一つの理由は、最終的な勝者を選ぶ時だけでなく、ノミネート作品(候補作)を選出する段階から同じシステムを採用している点にあります。
現在、アカデミー作品賞とPGA賞はいずれも「10作品」がノミネートされますが、その選定プロセスにおいても「優先順位付投票制」が用いられています。具体的には、一定数(マジックナンバー)の1位票を獲得した作品から順に枠が埋まっていく仕組みです。
つまり、「候補作の顔ぶれ」と「最終的な集計ルール」の双方がアカデミー賞と完全にリンクしているのは、主要な前哨戦の中でもPGAだけです。これが、PGAの受賞結果が「オスカーの行方を占う最大の鍵」と言われる所以です。
この「ランキング式投票」が導入されたのは2010年(2009年公開作品)からです。それまでは、1人1作品を選ぶ単純な「最多得票制」でした。アカデミー賞が作品賞を「ランキング式投票」に変更するのにあわせて、PGAも変更したのです。また、作品賞ノミネート枠も従来の5作品から10作品へと拡大されました。これもアカデミー賞と同時です。
これらの逆転劇は、優先順位付投票制(Ranked ballot)の特性を最も象徴する事例です。共通しているのは、「芸術性は高いが評価が分かれる作品」を、「幅広い層に愛される作品」が逆転したという点です。
このように、優先順位付投票制では「熱狂的な1位」よりも「誰からも嫌われない2位・3位」を多く集める作品が、最後に頂点に立ちます。PGAでこれらの作品が受賞した時点で、アカデミー賞でも同じコンセンサス(合意)が起きていることが証明されたといえます。